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ましてや原稿用紙一枚分の文字を人力するとなると、あっという間に半日が過ぎてしまうに違いない。
キーボードは、パソコンを覚えるにあたっての大きな障壁であることは事実だ。
パソコンを覚えたいという、みなぎるほどの熱意と意欲があっても、「いざ」使ってみるとキーボードという難しい操作を覚えなければならないので、この瞬間にいままでの意欲が一気に萎縮してしまうのである。
これが、俗にいう「キーボード・アレルギー」だ。
パソコンを使うには、このキーボード・アレルギーを克服する必要がある。
こればかりはどうしようもない。
知識として覚えればよいものではないからだ。
とにかくキーボードに触って、目的のキーがどこにあるのかを体で覚えなければならない。
自動車の運転と同様、「練習あるのみ」だ。
しかし、素早くタイピングできるようになる必要はないし、自分が遅いからといって劣等感を覚える必要もない。
要は入力ができればよいので、その人が満足できるペースで構わない。
なによりも、キーボードに慣れることからはじめてほしい。
キーボードの代表的なキーについて説明しておこう。
キーボードから打ち込んだ文字は、画面上のカーソルと呼ばれる部分に入力されていくことを、まず最初に覚えてほしい。
カーソルは、チカチカと点滅した棒で表示される。
つまり、文字を打ち込むためには、まず文字を人力したい場所にカーソルを移動する必要があるのだ。
その移動の手段が、カーソルキーだ。
カーソルキーを押すと、ここに刻印されている矢印の方向に向かって、カーソルが移動する。
素早く移動したい場合は、マウスを使うこともできる。
文字が人力できない箇所では、カーソルは画面に現れない。
通常は、ワープロソフトなどを起動した時点で、カーソルが画面に表示されるようになる。
次にリターンキーを覚えよう。
このキーには、改行して次の新しい段落を作る役割がある。
たとえば、上図のようにリターンキーを押すと、カーソルが点滅している箇所で改行される。
また、リターンキーには、入力の完了とか、変換中の日本語の確定という機能もあるが、これについては後ほど説明しよう。
デリートキーバックスペースキー…入力した文字を消去するには、デリートキーとバックスペースキーを使う。
デリートキーは、一回押すごとにカーソルの右側の文字を消去するのに対し、バックスペースキーはカーソルの左側の文字を消去する役割がある。
間違って文字を入力した場合は、カーソルキーで修正したい箇所にカーソルを移動して、この二つのキーのどちらかを使って誤った箇所を消去し、正しい文字を入力し直せばよい。
また、選択したイラストなどの絵を消去するときにも使う(この場合、どちらのキーを使っても構わないが、一般にはデリートキーだ)。
スペースキーは、空白の文字を入れる場合に使う。
文字の先頭に空白文字を入れて字下げをしたり、文字と文字の回をあけたりする場合に、このキーを押す。
キーボードの中で唯一、何も刻印されていないキーだ。
また、このキーは人力した文字を漢字などに変換する際にも使用するが、これも後ほど説明しよう。
キーボードには、複数のキーを同時に押す操作もある。
たとえば、シフトキーだ。
これは、英語の大文字と小文字を切り替えたいときに併用して使うキーだ。
たとえば、普通に【A】キーを押すと、画面には小文字の「a」で入力されてしまう。
これを大文字の「A」として人力したい場合は、シフトキーを押しながら[A]キーを押せばよい。
キャップスロックがオンになっていると、これとは逆の動きになる。
つまり、「A」キーを押すと、画面には大文字の「A」で人力される。
反対に、シフトキーを押しながら「A」キーを押すと、小文字の「a」で入力される。
キャップスロックのオン/オフの切り替えは、98マシンでは[CAPS]キーを押せばよい。
また、キーの左上に刻印されている記号を入力する場合にも、シフトキーを使う。
たとえば、「#」と入力するには、左図のようにシフトキーを押しながら所定のキーを押せばよい。
さて、ここで問題となるのが、漢字や平仮名といった全角文字の人力方法だ。
キーボードのキーを単純に叩いても、半角文字しか人力できないからである。
実は、日本語のような全角文字を入力するためには、IME(アイエムイー)とかFEP(フェップ)と呼ばれる部類に属する、日本語人力を行うための専用のソフトが必要になるのだ。
これには、ジャストシステム社のATOK(エイトック)を筆頭に、さまざまなものがある。
日本でパソコンを使っている人の半数以上は、このATOKを利用しているといっても過言ではないだろう。
そこで、ATOKについて簡単に触れておこう。
ウィンドウズをインストールすると、自動的にMS‐IME(エムエスーアイエムイー)と呼ばれるIMEがパソコンに組み込まれる。
だが、このIMEは使い勝手があまりよくない。
パソコンを使うからには、日本語を頻繁に入力することになるので、ATOKのような使いやすいものを選んだ方がよいだろう。
ATOKは、ワープロソフトの「一太郎」についてくる。
また、ATOKだけを購入することもできる。
日本語(=全角文字)を人力するには、日本語が人力できる状態(=日本語入力モード)にしなければならない。
この切り替えは、次のキー操作で行う。
98マシンの場合:[XFER]キーを押すDOS/Vマシンの場合一[Alt]キーを押しながら[全角/半角一キー]を押す日本語の入力ができる状態になると、画面にIMEのバーが表示される。
これが目印だ。
日本語の入力の仕方には、「ローマ字人力」と「かな入力」の二種類がある。
ローマ字入力とは、[Y]「A」[M][A]というローマ字読みの四つのキーをタイプすることで「山」という漢字に変換する操作をいう。
もう一方のかな人力は、キーボードに刻印されている[や一「ま」あるいは[ヤ]一マ]という二つの仮名キーをタイプして、「山」という漢字に変換する操作をいう。
どちらで人力しても構わないが、初心者の方はローマ字人力の方がよいだろう。
なぜなら、ローマ字人力ならば、AからZまでの二六個のキーを覚えてしまえば日本語を人力することができるのに対し、かな入力では、さらに五十一音分のキーを余分に覚える必要があるからだ。
かな入力の方がタイプするキーの数が少なくなるので、こちらの方が速く入力できることは確かだが、先にも述べたように、目にもとまらぬスピードでキーをタイプする必要はない。
疲れない程度に、自然なリズムでタイプできれば十分なはずだ。
あえて、かな入力にする必要性はないだろう。
さて、キーボードからタイプしたローマ字は、左記の図のように、次々と平仮名に置き換わっていく。
そして、これらの文字はカタカナや漢字などに変換することができる。
ATOKの場合、その変換の合図をスペースキーで行う。
たとえば、「制作」という文字を人力するためには、「S」「E」[I][S][A」「K」[U]とタイプしてスペースキーを押す。
すると、「政策」といった漢字に変換されて表示される。
さらにスペースキーを押し続けると、「政策」「制作」「製作」といった候補となる漢字がメニューで表示されるので、この中から目的の漢字を選択すればよい。
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